いい歳をして、恋について考えた

母と姉と、女三人で話していたときのこと。

めずらしく恋愛の話になり、母は、恋をしたことが一度もないのだということを、初めて聞きました。

父とはお見合い結婚で、学校を卒業したら結婚するものだと思っていて(そういう時代だった)、断る理由も特になく、結婚し、恋を知らない母はそれでも3人の子どもの親になりました。

母の認識によると、お付き合いすることがイコール恋で、誰とも付き合ったことがない人は、恋をしたことがない人だと思っていたと言うので、「片思いの経験はあるんじゃない?」と聞くと、それもないといいます。「人を好きになる気持ちがわからない」と。

密かにショックを受けました。

でも、育つ過程で子供心にずっと感じていた、どうしようもない欠乏感のようなものの理由が分かった気がして、悲しいかな心の中で激しく納得してしまったのでした。

ちなみに一緒にいた姉も、「私もないよ。え、soraはあるの?いいなー」と。

母は、不機嫌そうに「それって楽しいの?」

いや、そういうことではなく…。

なんだかちょっとしたパニックになりました。恋を経験したからといって、何が偉いわけでもなんでもなくて、ただ、そのときは何かとてつもなく寂しい気持ちになって、異次元に紛れ込んだような気持ちになって(って、母、姉ごめん)、不安になり悲しくなり、後でひとりになってから、歌や小説から、「恋」が繊細に表現された言葉を沢山探して、心の安定をはかったのでした。それでとてつもなく安心したのでした。

人生色々です。

70を超えた母にその気はなさそうですが、姉はまだこれから初恋の相手に出逢う可能性だってある。

たとえ楽しいだけじゃなく、苦しくても、成就しない恋でも、かけがえのない何かを与えてくれることは確かで。

生まれて初めて恋する気持ちを抱かせてくれた人のことを思い出し、心の底からその人に感謝の気持ちを抱いたのでした。

なんて大切なものを教えてくれた人だったのだろう。成就はしなかったけど、出逢えただけで奇跡だったのだなあと。

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