父のこと

今日、とても心に響いた記事について。

「憎まれっ子、世にはばかる」という真実。人の亡くなり方について我傍的、ここだけの話

ご冥福をお祈り致します。
この方のお義父様の生き様に感動するとともに、自分の父のことで色々思いが巡り、今日は朝から泣いてしまいました。

ここから、プライベートな話で恐縮です。

今年で13回忌を迎える父は、当時初めて検査を受けたとき、癌で既にステージ4、余命3ヶ月という状態でした。
父は、事情があり、私が生まれてまもなくしてから、ずっと別々に暮らしており。このときもしばらく会っていなかった為具合が悪かったことも知らずにいました。
ある日突然、本人から「入院することになった」と連絡があり。
医療従事者だった彼は、自ら医者に病状を聞き出し、担当医や看護師さんに「家族には絶対に話すな」と頼み込んだらしく、私達が本当のことを知ったのは亡くなる3日前でした。

入院中は、事前連絡なしで見舞いにこられるのをことさらに嫌がり、なるべく医者と私達を会わせないように、治療中や具合の悪い姿を見られないようにと、とにかくひた隠しにしていたのでした。

仕事柄、数多くの患者さんの治療の様子や最期も目の当たりにしてきたであろう人間なので、おそらく誰よりも、これから自分に訪れる変化、家族の反応、最期について、全てが予測できてしまっただろうと思います。
家族に知らせたくないという思いの中には、おそらく、ショックを与えたくない、迷惑をかけたくないという思い、そしてそれ以外にも様々な複雑な思いが感じられます。

でも当時、父が一時危篤に陥ったときに、私たち家族が初めて担当のお医者様から事情を知らされたときは、ショックを受けると同時に、なぜ話してくれなかったのかと、寂しさと悲しさでいっぱいになってしまい。

父とは、一般的な家庭に比べるとかなり疎遠な関係でしたから、無理もなかったのかもしれません。でもこの時は、それを理解する余裕がなく、私たち家族はそんなにも頼りにならない存在だったのか、何より、何度も病院を訪れながら、なぜ自分は気づいてあげられなかったのだろうかと、そればかりが頭を巡り。

父が最期に遺した手紙は、「担当医師は手を尽くしてくれたので、恨まないで下さい」というもので、私たち家族にとっては寂しいものでもあり、でも仕事人として生きた父らしい手紙でした。

亡くなってから後も、何も知らず何もしてあげられなかった自分の不甲斐なさを責めて情けなくて申し訳なくて悔しくて、感情を整理できずにいました。

今日、上のブログ記事を読んでいてこんな言葉に出会い、はっとして何度も繰り返し読み返しました。

行き過ぎた強がりは、家族としては寂しいものがあります。
もう少し助けを求めて欲しかった。手助けしたかった。
しかしこれは彼なりの生き方の美学を貫いた結果だろうと思うので、責める気持ちはありません。
他人第一、自分は後。
我がままを言わない。迷惑をかけない。
そんなポリシーを徹底した美しい去り方に、感動を覚えるとともに深い尊敬の念を抱かずにいられませんでした。

父を思い出し、泣いてしまいました。
父の場合、ブログ主さんのお義父様のような心の持ち主だったかといえば、少し、違っていたかと思います。(笑。父に怒られそうですが。)
しかし、やはりそこに彼なりの美学があったのだろうと。彼自身が強く望んだ結果だったのだと思い。
もしも家族の誰かが疑念を抱き、お医者様から無理に本当のことを聞き出していたとしても、きっとそれは父の本意ではなかっただろうと。

もう自分を責めるばかりではなく、もっと違う気持ちで、あの頃の父を受け止めるべきなのだと気づかされ。

「家族として娘として、こうあるべきだった」という呪縛からふと解放され、今までとは違う父の姿が見えてくる気がしました。

人生をまっとうしたひとりの人間としての誇り、強さ、弱さ、優しさ。
入院中に交わした会話のひとつひとつ。
あれは強がりだった、あれは優しさだった、あれは、弱音だったのだな…。
と、今ならわかることがいくつもあり。

自分の気持ちばかりにとらわれず、もっと父の気持ちに寄り添えればよかった。

「気づけなくてごめん、何もできなくてごめん。辛かったね、がんばったね。ありがとう。お疲れさま。」「すごく、お父さんらしかったよ。」たくさんの言葉を父に伝えたい気持ちです。

父のこと” への4件のフィードバック

  1. 強い信念をお持ちのお父様ですね。やはりご家族の方に余計な心配をさせたくないと言うお考えがあったからではないでしょうか?私もお父様の立場になったらその様にしたいです(^_-)-☆

    いいね: 1人

    1. ありがとうございます。
      心の準備もできずお別れとなったことには、娘として恨みごとの一つも言いたくなったりしましたが、やはり家族を心配してのことだったかと思うと、信念の強さに我が親ながら頭の下がる思いです。

      いいね: 1人

  2. 家族に心配かけたくないというお気持ちだったんでしょうね。私がお父様と同じ立場ならそうしたと思います。でも、soraさんの立場だったら、なんで言ってくれなかったの?って思うと思います。どちらにせよ、残された家族に心残りができてしまうのであれは、私は、少しでも残った家族が悩まなくてすむようにしたいなとは思いますが、実際にそうなったら、やはりお父様と同じ行動をとると思います。これは何が正解か分からないものですね。

    いいね: 1人

    1. tabisurueiyoushiさん、ありがとうございます。
      本当にそうで、それぞれにそれぞれの思いがあって、正解のないことだと思います。
      ずっと後悔の気持ちが大きくて、父の気持ちをちゃんと受け止める余裕がなかったのですが、今は、当時の父の思いを尊重したいという気持ちで、自然に感謝の思いが溢れます。

      いいね: 1人

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