一日一文

昨日、本屋でこんな本に出会いました。

『一日一文 英知のことば』(木田 元/編)

フクロウの絵が描かれた渋すぎる表紙にそそられ、立ち読みしたところ、出だしからドキッとしてしまった。

学生時代に詩や小説に読みふけり思想書を読みあさった人たちも、社会に出ると日々の仕事に追われて本などのぞく暇もなくなり、通勤電車のなかでスポーツ新聞や週刊誌に眼をとおすのが精いっぱい、ということになるものらしい。
だが、それではあまり淋しすぎはしないか。

…おっしゃるとおり。

最近でこそ、空いた時間に本を手に取ることが増えたものの、ごく最近まで自分もこんな状態だった(スポーツ新聞も週刊誌も読まなかったですが)。
今も、日々の慌ただしさに追われ、なかなか学生時代のようには浸りきれない。
少し読んでは中断し、また少し読み進めては中断し。
疲れていると集中できないし、もっとゆっくり読書する時間がほしい!と、もどかしくなることがしょっちゅうです。

せめて一日に数行でもいい、心を洗われるような文章なり詩歌なりにふれて、豊かな気持で生きてもらいたい。

うん、あ、いいなあそれ。そうしたい。
単純にそう思ったので買ってみました。

普段この手の本は、なんだかいいとこ取りで、自分がずるをしているような気持ちになってしまう(笑)のだけど、考えてみれば、これだけの数の先人の書いた本を全部読むなんて、まずしないし、不可能なわけで。
こういった本から、自分の心に響く言葉、惹かれる人物に出会えたとしたら、それが何かの「入り口」になってくれるのかもしれないです。

編者の木田元氏曰く、

あまり有名なものやあまりに教訓的なものは採りたくない。むしろその人の意外な一面をうかがわせるもののほうがいい、と絶えず基準が揺れ動いた。
結局は私自身の好みに従って決定するしかなかった。

どれどれ。ワクワク。

ページをめくると、366日分の賢人が、一日一人選ばれていて、その多くが、その日が誕生日、または命日になっているというのが面白いです。これ、地味にすごい。
(思わず自分の誕生日のページを確認してしまった。)

独断と偏見ということになるかもしれないが、私としては自分の心に深く響いてくるかどうかを基準に選んだつもりである。

ということなので、この方の心に深く響いた言葉を、横から覗かせていただくような気分で読んでいます。

ちなみに、ランダムに数ページ読んでいて、印象に残ったのはこちら↓

色彩とは?それは身体のなかにたくましくめぐる血である。色彩とは、生命のしるしである。庭や畠にある花には「古色」はない。空は天気のよいときには青い。鋤きおこされた土、立った岩、露な地層などのくすんだ協和音は、冬のあと、春ごとに生まれかわる生の爆発の堅固な踏切台である。色彩!

ル・コルビュジエ※『伽藍が白かったとき』(生田勉・樋口清/訳)

※フランスの建築家、画家

これを読んでいたら、以前自分のTwitterでこんなことを呟いたのを思い出しました。

「人間の目は色素を求めているのではないかと思うんですね」と今テレビで誰かが言っていた。なるほどそうかもしれない。
twitter.com/dimidium33/status/1056431770348867584

人が色彩を欲するのは、そこに自然界の生命力を感じとるからなのか。

梶井基次郎『檸檬』の黄色も、ゴッホ『ひまわり』の黄色も、モネ『睡蓮』の言葉で表せない繊細な色彩も、作り手が表現したかったのは、自然界の力強い生命力への憧れだったのだろうか。

なんて、分かったような分からないようなことを、ぼんやりと思いながら本を閉じました。

一日一文” への4件のフィードバック

  1. 私も本を読まなくなりました。以前は文庫本を読んでその内容に酔ったこともありますが、今はPCで目が疲れてしまい、これ以上、目を酷使させたくない面もあります。先人たちの素晴らしい知恵は、その通りだと思います。読書がいい事は分っているのですが中々出来ないです(^_-)-☆

    いいね: 1人

    1. 大人になると、日々の生活に追われたりでなかなか難しいですね。
      本は確かに目が疲れます^^;
      だけど自分には、心の癒やしにもなりますので、一日にほんの数ページ、数行でもいいので、あまり構えずに本に触れていきたいなあと思っています。

      いいね: 1人

  2. 確かに、私も本を読まなくなりました。
    以前は通勤電車が30分で読んでましたが、引っ越した今は10分で、読まなくなりました。
    でも、やはり本を読むことはいいことですよね。また始めてみようと思います(^.^)

    いいね: 1人

    1. わあ、嬉しいです。ぜひぜひ。
      自分とは全く違う考えや、似た考えに出会ったり、人の心の深い部分に触れられるのが、読書の醍醐味かなあと思います。

      いいね: 1人

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