先日、イタリアンカフェで、妹家族に誕生日を祝ってもらっていたときのこと。
嬉しそうにケーキをほおばっていた甥(3歳)が、壁に掛けられた一枚の写真に不意に目を留め、少し見つめてから、
「ボクね〜、ここにいたときはね〜、さびしかったんだぁ〜」
と言いました。
なんだか3歳とは思えぬ、大人びたしみじみとした口調で。
その写真は、どこかの住宅地なのか、家が何軒か並び、道路に昔風の車が何台か写っているモノクロの写真。(イタリアンカフェなのでおそらくイタリア?)
妹は、「時々適当なこと言うんだわー」ととり合っていない様子。
「ここにいたことがあるの?」
と話を合わせてみる。
「うん。ボクね〜まえね〜、ここにすんでたときね〜。」
「住んでたの?○○くん覚えてるの?」
ちなみに、引っ越しは1歳に満たないとき一度しているけど、日本から出たことはない。
「うん。ここにすんでてね〜、あのねぇ、」
そこで妹たちの何か別の会話かはさまり、続きは聞けませんでした。
隣の席のご夫婦が、チラチラとこちらを見ていました。私たちの変てこな会話が気になったご様子。
おそらくは、絵本かテレビか、どこかで見聞きした記憶がごっちゃになってるのかな?と思いつつも、何となく、「あのねぇ、」の後を聞いてみたかったな。
「さびしかったんだ〜」の切なげな言い方が、なんだか本当に「当時を思い出して」心から発しているような、そんなしみじみとしたトーンだったので、忘れられない。…3歳、だよなあ。
本人はおそらく、特別な意識は全くなく、ただ、ごくごく自然に思い出したことをふいに口にしたという風で。
その流れで、私も「ああ、そうなのか、ここに住んでたのか。」と、思わず「前世でイタリア人だったころの甥」を想像してしまったのでした☆
よっぽど店員さんに、「この写真の場所はどこですか?」と聞いてみたい衝動にかられましたが、変に思われそうで聞けませんでした(^ ^;)
勝手に想像を膨らませ、「その頃は寂しかった」ということは、今はきっと寂しくないんだなあ、両親とおねえちゃんに囲まれて、きっと今は幸せなんだねえ、よかったねえ、としみじみ思ってしまいました。