『ヘッセからの贈り物』を読んで

最近にわかに、ヘッセってどんな人だったのだろうと興味が湧き、こんな本を読んでみました。



ヘッセからの贈り物
作者: 渡辺もと子
出版社/メーカー: 人文書院
発売日: 2006/11


ヘッセ夫人や息子さんと懇意にしていた筆者による、ヘッセ追想の記。
ヘッセ生誕の地や、最後に暮らした土地の風景や自宅などが写真で紹介されており、筆者の優しく愛情のこもった文章が素晴らしくて、一気に読んでしまいました。

特に印象に残っているのは、筆者が学生時代に、ヘッセの『ペーターカーメンチント(郷愁)』に感動し手紙を送ると、ヘッセから返事が届いたというエピソード。
その返事の手紙には、ルガノという地でヘッセ自身が写った写真に、自筆のサインが添えられており。
ヘッセ没後しばらく後に、筆者がルガノを訪ねた折、写真と同じ風景に出会い感動したというエピソードが素敵でした。

ヘッセの次男ハイナー氏と著者との交流の様子も素晴らしくて、とても温かい気持ちになります。

本の内容の素晴らしさの為か、途中から、読みながら涙が止まらなくなってしまった。
胸が締め付けられるような感覚がずっと続いて、最後までほとんど泣きながら読みました。
この本の中の何かが、自分の心の琴線に触れたようです。

最近、やたらと涙もろい自分。歳のせいかしら。

今日も、会社帰りの道中、雲の合間から夕日のオレンジ色の光が漏れているのを、わあ〜綺麗だな〜と眺めていたら、なぜか涙が出てきた。
…特に情緒不安定というわけではないはず。
友人には「疲れてるんじゃない?」と心配されてしまった。そ、そうかなあ。

少し前までは、泣くなんてこと自体が滅多になかったし、泣いたとしても、悔しいか、悲しいか、感動したか、理由ははっきりしていたのだけど、最近は、よくわからず泣けてくることが、本当に多くなりました。
皆このくらいの年齢になると、こんなものなのかな?
恥ずかしくて周りに聞けないσ(^_^;)

先日など、とある自伝的小説を読んでいたら嗚咽するほど泣いてしまったし。
小説の内容以上に、それを書いた人の心の純粋さとか、誠実とか、切実さとか、そういうものが突然胸にワッと迫ってくる感じになり…うまく説明できませんが、それでしばらく泣き続けたという…。自分でもよくわからないけど、この時も、自分の中の何かの感情が刺激されたのかなあ。

こういう、胸が締め付けられるような(という表現が合っているのかどうかもわからない)謎の感情が、いったいどこから来るのか、原因を知りたいと切に願う。知り得ないような気もするけど。
…やっぱりただの情緒不安定か。

話がだいぶ横道に逸れましたが、この『ヘッセからの贈り物』という本は、ヘッセという人物のほんの一端ではあっても、その気配のようなものに優しく触れることができる素敵な本でした。

ちなみに、表紙の絵は、ヘッセ自筆の水彩画だそうです。40歳を過ぎてから描き始めたとのことで、文章から受けるイメージとはまた違った印象で、素敵な絵です。

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