翻訳との相性について

『シッダールタ』を読み直しています。
一度目はあまり意識していなかった、言葉の美しさにハッとさせられています。

翻訳者、岡田朝雄さんのあとがきに、「詩のようなリズムのある原文の、そのリズムを意識しながら、読みやすい翻訳を心がけた(要約)」とあり、ああ、そうなのかと。

明るく、静かに、彼の声は、聴衆の上に、光のように、星空のように漂い流れた。

この場面が好き。情景を想像してうっとりと泣きたいくらいになってしまう。

ふと、同じ作品が翻訳でどんな風に変わるんだろうと、Kindleで別の翻訳者のサンプル版を2冊ダウンロードしてみましたが、自分にはこの岡田氏のものが読みやすく、合っている気がしました。

「読みやすい翻訳を心がけた」→ありがた〜いσ(^ ^;)
以前、読みかけて挫折した別の翻訳者の『知と愛』が、読みづらくどうにも入ってこなかったのは、翻訳との相性(おそらく私の国語力が見合わなかった)もあったのだと、今さら気がつきました。
同じ方の『シッダールタ』が、やはり冒頭で「あれ?」とつまずく感じになったので。
てっきり、ヘッセが合わないのだとばかり思っていた…。
岡田氏の『シッダールタ』に最初に出逢えてよかった。

願わくば、原文で読んでみたいけど、ドイツ語なんて「イッヒリーベディッヒ」と「ダンケシェン」くらいしかわからないのでお話になりません(- -;)

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